長期間の使用中、電気泳動塗料はバクテリアの増殖により悪影響を受け、塗膜性能と品質が低下し、深刻な場合には浴液が使用不能になる可能性があります。電気泳動塗膜の長期的な安定性を維持するためには、浴液中のバクテリア含有量をタイムリーに検出し、適切な対策を講じることが不可欠です。殺菌剤を速やかに添加することで、微生物の増殖と繁殖を効果的に抑制し、塗膜の品質と性能を確保できます。以下のテスト方法を概説します。
1. 機器
-
撹拌棒(撹拌中に空気を巻き込むことができるもの)
-
恒温槽(30℃の一定温度を維持)
2. 試薬
-
試験対象の電気泳動塗料(2~3 kg)
-
抗菌剤(塗料量に基づいて300 ppmで計算)
3. 試験手順
-
塗料のMEQ(ミリ当量)値を測定します。
-
塗料を2つの部分に分けます(それぞれ1~1.5 kg)。
-
塗料サンプルを30℃の一定温度で連続的に撹拌します。撹拌速度が塗料に空気を巻き込むようにし、撹拌中は塗料を開放状態に保ちます。
-
一方の塗料サンプルに、抗菌剤を0.03%の濃度で添加します(添加前に抗菌剤を10%の濃度に希釈します)。
-
両方の塗料サンプルのMEQ値を2日ごとに測定し、結果を記録し、グラフにプロットします(下の図を参照)。
-
結果評価:抗菌剤を含まない塗料サンプルについて:
-
6.1 MEQ-時間曲線が図の△パターンに似ている場合、塗料中のバクテリア増殖の可能性が高いです。
-
6.2 MEQ-時間曲線が図のパターンに似ている場合、塗料中のバクテリア増殖の可能性は低いです。
注記
1. 電気泳動浴液におけるバクテリア増殖の特徴:
-
MEQ値の急激な低下(導電率の低下、pHの上昇)。
-
フィルター残渣の増加と、フィルターバッグの交換頻度の増加。
-
水平ワークピース領域の表面外観の劣化(レベリング効果の低下)。
-
限外ろ過(UF)透過液量の減少。
-
塗料とUFリンスタンクの内壁への砂状の堆積物。
-
塗料とリンス水の排出ポイントでの臭い。
2. 抗菌剤の注意事項:
目や皮膚との接触を避けてください。接触した場合は、大量の水で十分に洗い流し、医師の診察を受けてください。
電気泳動塗料におけるバクテリア制御は、製品品質と生産ラインの安定性にとって重要であるだけでなく、コスト削減と企業の競争力強化の重要な要素でもあります。したがって、電気泳動塗膜の性能と品質を確保し、企業の発展を保護するために、バクテリア制御対策を優先する必要があります。


